News Feed 11 - 17 - 2015

太地町における水銀と住民の健康影響に関する調査結果について 国立水俣病総合研究センター

太地町における水銀と住民の健康影響に関する調査結果について

国立水俣病総合研究センター
平成22年5月9日

和歌山県東牟婁郡太地町より要請を受け、毛髪水銀濃度測定によるメチル水銀摂取状況および健康影響の調査を実施した。

【結果】

1. メチル水銀摂取状況調査
1) 夏季調査の結果、対象者の毛髪水銀濃度の幾何平均値(最小−最大)は、男11.0 ppm(0.74 ppm−139 ppm)、女6.63 ppm(0.61 ppm−79.9 ppm)であった(国内14地域の幾何平均値(最小−最大)は、男2.47 ppm (0.10 ppm−40.6 ppm)、女1.64 ppm (0.01 ppm−25.8 ppm))。

2) 夏季調査の結果、神経症状の出現する可能性のある下限値とされる毛髪水銀濃度50 ppm(WHO)を上回る住民が、対象者の3.1%、32名(男26名、女6名)にみられた。

3) 冬季調査の結果、対象者の毛髪水銀濃度の幾何平均値は、男11.2 ppm、女6.46 ppmで、夏季調査と比べて大きな違いはなかった。夏季または冬季調査のいずれかで50 ppm以上の住民は3.8%、43名であった。夏季調査と重複した対象者においては、冬季には毛髪水銀濃度の増加傾向がみられた。

4) 毛髪水銀濃度とクジラ類を食することの関連性が示唆された。

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