News Feed 11 - 17 - 2015

イルカ肉を食する人はパーキンソン病と心臓病のリスクが高くなる

0

<記事提供:ブルーボイス> http://bluevoice.org/index.php

パーキンソン病1と心臓疾患2のリスクが、ゴンドウクジラの肉を摂食することによって高くなることが、デンマークの研究で明らかになりました。

フェロー諸島、チーフ・メディカル・オフィサー: 「ゴンドウクジラを、もはや食用にしないことを勧めます。」4

フェロー諸島の人々がデンマーク国民よりもパーキンソン病を患うリスクが2倍であるのは、ゴンドウクジラの肉の摂食が最大の原因であると考えられています。

デンマークの南デンマーク大学環境医学部によって実施された新しい研究では、メチル水銀やPCBなどの環境有害物質が、ゴンドウクジラの肉の摂取を 有害にしていることが明らかになりました。

フェロー諸島政府は、住民の健康を懸念して、フェロー諸島の住民にゴンドウクジラの肉を摂食しないように忠告しました。

フェロー諸島病院の職業保健・公衆衛生部長のPal Weiheは、成人によるクジラの肉と脂肪の摂取の増加は、パーキンソン病と 神経系疾患の発生の増加と明らかに結びついていると述べました。

この研究によって、PCB等すでに検出された残留性有機汚染物質 (POP) に加えて、 DDEと有機フッ素化合物などの新しく検出された化学物質がゴンドウクジラを摂食する子供達の血液に濃度上昇していることが発見されました。また、ゴンドウクジラの摂取を減らした妊婦の水銀レベルは減少を示しましたが、PCBレベルに変化がなかったことが明らかになりました。

ゴンドウクジラの肉に含有される擬似エストロゲン汚染物質によって、生殖機能が低下する可能性があるため、全住民の生殖能力を検証するための研究が現在実施されています。

日本で消費されたゴンドウクジラの肉の研究では、内分泌かく乱物質および擬似エストロゲン物質として作用する水銀とPOPのレベルが、デンマークの研究で検出されたレベルと同等またはそれ以上であることが発見されました。

水銀で汚染された海産物の摂食は、心臓疾患のリスクを増大させます。

フェロー諸島住民に検出されたゴンドウクジラに含有される水銀濃度は、米国環境保護庁が設定した制限を20倍超えていました。フェロー諸島の捕鯨者を検査したデンマークの研究では、その内63%が一ヶ月に3回以上クジラの肉を摂食しており、水銀に汚染された海産物を摂食することにより、心臓疾患のリスクが増大することが発見されました。研究者達は、捕鯨者の体内から検出された高次の水銀レベルと血圧上昇および動脈壁の厚さに、明らかに顕著な関連性があることを発見しました。

この結果は、メチル水銀の高次曝露は心臓疾患を促進する可能性があるという、他の住民を対象に行われた以前の研究結果を裏付けます。

フェロー諸島住民を対象にした以前の研究では、水銀の毒性が子供達の脳幹損傷、知能発育不全、神経異常および心臓異常と関連付けられました。3

1Neurotoxicology. 2008 Mar 14 : 18455239 (P,S,E,B,D)

Impact of dietary exposure to food contaminants on the risk of Parkinson’s disease.

Maria Skaalum Petersen, Jónrit Halling, Sára Bech, Lene Wermuth, Pál Weihe, Flemming Nielsen, Poul J Jørgensen, Esben Budtz-Jørgensen, Philippe Grandjean

Institute of Public Health, Environmental Medicine, University of Southern Denmark, Winslowparken 17, 5000 Odense C, Denmark.

2Choi, AL, P Weihe, E Budtz-Jørgensen, PJ Jørgensen, JT Salonen, T-P

Tuomainen, K Murata, HP Nielsen, MS Petersen, J Askham and P Grandjean.

2008. Methylmercury exposure and adverse cardiovascular effects in Faroese

whalingmen. Environmental Health Perspectives doi:10.1289/ehp.11608.

Synopsis by Carys L. Mitchelmore.

3 Granjean et al 1997; Steuerwald et al., 2000; Grandjean et al., 2004; Murata et al., 2004.

4Landslaegen, Chief Medical Officer, Faroe Islands, 7 August 2008

Comments are closed.